FNATICの底力とEthanの奮闘
今回のVALORANT Champions ParisはNRGの優勝で終わりましたが、NRGの躍進があまりにも素晴らしい。
あまりにもできすぎていた試合だった。
NRGファン視点では心臓がいくつあっても足りないだろうが、VALORANTの競技シーンそのものを愛している私からすればFNCの底力も感じられてとても面白かった。
2マップを終えてNRGの完成度の高さに驚かされ、第3マップのアビスをNRG11-1FNCという絶望的な折り返し。
しかもアビスは現状攻めマップとされている中でFNATICが守りに変わってのスタート。
過去のChampionsのGrand Finalにおいて3-0でのストレート勝ちはない。しかも相手はあのFNATIC。
このままあのFNATICが終わるのか……。
そこからは皆さんの知っている通りだ。
kaajakの背負った立ち位置での情報取りとワンピック。crashiesが重要な1vs1を制し、完璧なウルトスノーボールを見せた。そしてオーバータイムを勝ち、第4マップのアセントも取り切った。NRGはアビスの攻めになってから明らかに精細を欠いていた。
それでもNRGは折れなかった。サンセットのEthanは間違いなくGOATと呼ぶに相応しい活躍を見せた。
スタッツだけを見るならレーティング1.94、K/D/Aは23/12/9。これをブリーチで叩き出している。
現状サンセットのブリーチ採用が少なくなっている中、スキル回しを完璧に行ない圧倒的な撃ち合いを見せた。
5マップを通してのスタッツは下記のようになっている。
Ethan、mada、Alfajer、Chronicleは複数のエージェントを使用した。
極限状態の中で様々なエージェントを使いこなすこの2チームは素直に称賛したい。
その中でFNCはやはりというべきか、カロードとロータスの調子が上がらなかった。これはBoasterが決勝終了後のインタビューで語っている。
カロードとロータスを万全の状態で臨め素晴らしいパフォーマンスを見せたNRGはもちろんすごい。
だが、FNCが最初の2マップで少しでも良いパフォーマンスを出すことができればどうなっていたか……こう思わずにいられないが、勝負の世界にたらればは言ってられない。一回きりなのだ。
Boasterのインタビュー:https://x.com/VALO2ASIA/status/1974987970483834927

引用元:https://www.thespike.gg/jp/match/nrg-fnatic/136479
今年の結論構成は何か
閑話休題。
今回のメタについて、前の記事で書いたのだが各マップで様々なエージェントが採用されており、メタは固まっていない。
無論オーメンはどのチームも多く採用しているが、アセントでは2コン構成をするチームもいれば、私が解説したG2やXLGのようにチェンバー採用のチームもいる。
FNCもチェンバー採用をしていたが、戦い方にマッチしていなかったのかAlfajerがチェンバーからセージへの変更をした。
優勝をしたという最も大きな功績を残した点においてはNRGが最も正しいチームであることは疑いようもないだろう。
だが、私は思うのだ。DRXの2デュエ構成が今年最も正しい構成なのではないかと。
現在各マップで様々な構成が出るようになったメタの中で、どの構成においても変わらない戦い方ができるヨルウェイレイの2デュエは、変わらない構成の中で練度を上げられる普遍的な強さを感じるのだ。
どのマップにおいても重要なエリアは存在し、ウェイレイとヨルを上手く運用することでエリアを取りやすくし、トレードキルが行える。
今まではヘイヴンのみヨルではなくネオンの採用をしていたが、最終的にLower FinalのFNC戦ではヨルウェイレイの採用となった。
観戦視点からすると昔のアセントのような結論構成ばかりのミラーマッチは、はっきり言ってクリエイティブさが足りなくなって段々見飽きてしまう。
だが、様々な構成がある中での結論構成はなんなのか?を考えるのは議論することができて面白いと思う。
私は今年の結論構成はDRXの2デュエ構成とさせていただきたい。(できれば下記の動画を見てください)
NRGの新人組について
NRGの話題に話を戻そう。
NRGはStage1を終えてからシーズン途中にFNS選手からskuba選手へロースター変更した。EWCになってからの加入だった。このskubaはSentinelsの傘下であるCubert Academyからの加入だった。
skubaは2020年からNAのFirst Strikeで出場している古参選手だ。だがOxygen Esportsという有名チームにいたこともあるが世界大会に出たことはなく、Tier1シーンでの出場は今回のNRGが初めてだった。
余談だがVALORANTの一番最初の大会、2020年のNA First Strike一番初めに出た試合の敵チームにC0Mとbrawkがいる、こういうデータを遡るのも面白い。

引用元:https://www.thespike.gg/jp/match/noble-cyberbullies/14665
madaもbrawkもShopify Rebellionからの移籍でTier1シーン1年目だ。リーグで戦って1年目の選手を3人入れた上でこの成績を出しているのだ。
これを成しているのはEthanとs0mのベテランコンビとコーチアナリストの裏方陣によるアドバイス、メンタル面での活かし方に他ならないだろう。
世界中のPick’emを崩壊させた代わりとしてはあまりにも濃い内容のChampions Parisだった。
最後に
今年のVCTは終了した。現在GCの方もPacificでChampionshipに向けて戦いが始まっている。
リーグ昇格をかけたアセンションも控えているだけでなく、LoLもWorldsがあと少しで始まる。
様々なE-Sportsの競技シーンを見ている私は今年もまだまだ楽しみが尽きない。
選手をリスペクトした良い記事を適度に書いていきたい所存である。




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